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2021/08/01

「埼玉ゆかりの三偉人」から学ぶ

7月に埼玉県県民生活部男女共同参画課から「荻野吟子~女医のパイオニアは埼玉出身!~」マンガで紹介 日本第一号の女医誕生ストーリー という小冊子が送られてきました。(本校図書館にも置いてあります)
その裏表紙に、埼玉ゆかりの三偉人が紹介されており、埼玉県の小学校・中学校に在校していた人は、よく知っていると思いますが、その三人を改めて紹介します。

 

一人目は、江戸時代に盲目の国学者として活躍した「塙保己一」。二人目は、今年最も注目を集めている、日本の資本主義の基礎を築いた大実業家「渋沢栄一」。三人目が、この小冊子で取り上げられている、日本で最初の公認の女性医師「荻野吟子」

 

今月は、この三人に関するエピソードがいくつかあるのですが、そのうち2つを紹介させていただきます。

一つ目は、荻野吟子が医学校を優秀な成績で卒業したものの、役人たちから男尊女卑の壁で、医師への道を閉ざされかけていた吟子を救ったのが、塙保己一がまとめた古代律令の解説書「令義解」でした。そこには女性の医師についての規定があり、「日本にも女性の医師がいた」という吟子の主張の根拠となり、ついに、1884(明治17)年に女性が「医術開業試験」を受けられることになりました。塙保己一は、荻野吟子が医者になることを手助けしたことになったというエピソードです。

もう一つは、渋沢栄一が、郷土の偉人である塙保己一の特長として、次の6点をあげていたというエピソードです。
一つ、強固な意志を持っていたこと
一つ、何事にも活動的であったこと
一つ、清廉潔白で無欲であったこと
一つ、心が広く、人の意見によく耳をかたむけたこと
一つ、とっさの場合に機転がきくユーモアと心の余裕があったこと
一つ、信じられないほどの記憶力の持ち主であったこと

 

荻野吟子のエピソードより思うことは、その当時に女性が医師になることの困難さは、想像を超える程、大変なことだったと思います。困難を乗り越え、女性に「医術開業試験」が受けられることの前例を作り上げた素早しさもありますが、それ以上に、意志を持って立ち向かった姿勢に多く学ぶべきことがあると思います。

渋沢栄一のエピソードより思うことは、塙保己一の六つの特長をすべて実行することはなかなか難しいと思いますが、少なくても、「強固な意志を持つ(明確な目的を持つ)」「何事にも活動的である」「清廉潔白である」「人の意見によく耳をかたむける」等ということは、意識・姿勢を持ては、誰にも実行できることだと思います。しかし、それを継続し、意識・姿勢を高く持つことは、このことの必要性をしっかり理解しておかないと、難しいかも知れません。

8月は、自分のことをじっくり考えることが出来ると思います。何に取り組んで、何を成し遂げて、自分を成長せせるか、明確な目的・目標を設定・計画しないと、あっという間に終わってしまいます。皆さんの取り組みと成長に期待します。

 

- - <今月の推薦図書>- -

今月の推薦図書は、村上しいこ氏の「うたうとは小さないのちひろいあげ」講談社です。

古今集や新古今集の短歌ももちろん素晴らしいですが、この本で取り上げられている短歌は、もっと自由で、自分でも挑戦してみようかなと思えるほど、興味深く書かれています。本の内容も、人との関わり方、思いの伝え方など、自分の内面を見つめ直す機会にもなると思います。ぜひ、読んでみてください。
また、この本の続編も出ています。「空はいまぼくらふたりを中心に」講談社です。