校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2021/12/01
12月となりました。その慌ただしさから、12月を『師走』というのは、皆さんはご存知と思います。普段のんびりしている『師』でも走らざるを得ないほど忙しくなるからだといわれています。
頑張っている多くの先生のために、説明をさせていただきますが、この『師』は、教師の師でなく、僧侶の師だそうです。
その僧侶の話になりますが、江戸時代前期の禅僧で、武士道を加味した仏教を説いた鈴木正三(1579~1655)が著書の中で「指導者が備えるべき能力」として、次の7つを挙げています。
1 先見の明がある人
2 時代の流れが的確に読める人
3 人の心をつかむことができる人
4 気遣いができて人徳のある人
5 自己の属している共同体、組織全体について構想を持っている人
6 大所高所から全体を見渡せる力量を持っている人
7 上に立つにふさわしい言葉遣いや態度が保てる人
今後、変動する社会に対応するために、「コミュニケーション力」を豊かにする必要があります。「コミュニケーション力」向上のために重要なことは、何よりも人からの信頼を得ることです。そのためには、「自分磨き」して、人間力を向上させなければなりません。
「自分磨き」をするため、鈴木正三が唱えた「指導者が備えるべき能力」を紹介しました。
この能力を全て備えることは到底無理なことと諦めるのではなく、この7つの能力は備えるべき大切なことと意識して活動していくことが、不確実な今後の社会で活躍するために何より大切だと思います。自分を鍛える上で、何を鍛えるのかという目標があれば具体的に行動できると考えます。
令和3年のまとめの月になりました。良いまとめをすることが、次年度の発展に繋がります。次年度も飛躍できるようお互いに良いまとめをしましょう。
- - <今月の推薦図書>- -
今月の推薦図書は、「指導者」としての姿勢を考える本を紹介したいと思います。
童門冬二氏の「山田方谷(やまだ・ほうこく) 河井継之助が学んだ藩政改革の師」人物文庫です。
山田方谷については、令和4年2月に発行予定の「父母の会だより 第87号」で書かせていただきました。取り上げた山田方谷は、備中松山藩士(現在の岡山県)で、江戸時代末期に藩主板倉勝静(寛政の改革の松平定信の孫)のもとで藩政改革を断行し、藩の借金300億円(今の時代の金額に換算ずると)をわずか7年で300億円の蓄財に変えた改革をした人物です。
年末のまとめに、この本を読んでいただき、「自分磨き」の参考にしていただけたらと思い取り上げました。一読を勧めます。