校長 その日その日

Principal Day by day

校長 その日その日

 

2024/02/11

(2/11)偶然性の中での最高の表現――高校部合唱祭

魂を吸い取られるとは、このことかもしれない…そう感じ入った7日(水)の高校部合唱祭(於さいたま市文化センター)でした。

午前は1年生大会(14クラス)、午後は2年生大会(13クラス)で行われ、私は審査員を務めさせていただきました。会の冒頭、あいさつで生徒に話したことは――

 

「歌・音楽の得意不得意、人数や男女比も全く考慮されていない “クラス” という偶然性のなかで、いかに自分を “tune” できるか。それがうまくいったクラスが上位にいくのだろう」。

 

tuneという言葉は、調節・調律という以外に「人の話に耳を傾ける」という意味もあるそうです。「tune、つまり自分一人が出張っても、さぼってもダメ。心を開き、周りと心を合わせることが良い表現を生む。合唱にとどまらず大人としての資質にもつながるものだ」――。

 

コロナ禍の収束に伴い昨年度、久しぶりに復活かつ外部会場方式にバージョンアップしたこの行事。大舞台で緊張と戦いながらも各学年・各クラスが、本当に素敵なハーモニーを届けてくれました。

↓ 本番前のリハーサル室・出演直前の舞台袖

表彰では金・銀・銅賞の3クラス、及び最優秀指揮者賞・伴奏者賞を表彰。

うち2学年のNさんは2年連続の指揮者賞を受賞、「ありがとうございますっ」と満面の笑みでした。

↓ 1年生大会で銀賞のクラス

↓ 2年生大会で金賞のクラス

審査を依頼した特別審査員・I先生(東京藝術大学・特任准教授)「あるクラスは人数少ないにもかかわらずダントツの技術でした。何か音楽活動したほうがいいんじゃないかと思うくらい」。

 

――一方で「歌を歌うことさえかなわなかった」生徒たちを思うこの歌には、胸が詰まります。

 

「またねと 手を振るけど 明日も会えるのかな

遠ざかる君の笑顔 今でも忘れない」

「あの日見た夕日 あの日見た花火 いつでも君がいたね

当たり前が 幸せと知った」

『群青』小田美樹/南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生)

 

全27クラスの皆さん。声を、心を合わせた友の横顔を忘れずに。“当たり前”の時が、本当にかけがえのないものだったと振り返るときが、いつか来ることでしょう。

 

余談ですが、校長は過日の雪対応とこの日の審査に精魂を注いだあまり?翌日体調を崩してしまいました(おかげさまで今は元気です)。皆様もどうぞご自愛ください。