校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2026/02/03
今朝も高3生の姿を何名か見かけました。自習室で勉強するために登校しているのでしょうが、下級生と同じ生活ペースを保っている、本当に素晴らしいことです。
今日3日(火)は節分。首都圏私立大の入試がいよいよ本格化する今の時期、ぜひ彼らの息災と健闘を願って “邪気” を払ってあげたいものです。
――私が高校時代に大変お世話になり多大な影響を受けたA先生。ご勇退なさった後もライフワークとして日本史の観点から伝統行事を研究なさっていて、その著作※に節分の変遷に関して興味深い見解を載せています。
節分の原型は古代中国から伝わった風習「追儺ついな」で、旧暦の12月年末に一年間の穢れを払う宮中儀式でした。
大変面白いのは、歴史のなかでの “逆転” が起きていること。
平安初期には「四ツ目の恐ろしい面に派手な衣装、手に盾と矛を持った役者(方相氏という役)が、従者とともに大声を出しながら “目に見えない鬼” を宮廷内から追い払う」行事だったものが、
平安末期には「武装し大声を上げる方相氏を、群臣が大声をあげて追い回し、門から逃げ出したところでさらに弓で射る」行事に変化しているのだそうです。
つまり、たった数百年の間に「方相氏」という守る側・追う側だった役が、いつの間にか「鬼」に見立てられ、追われる側になってしまったのだそうです。
いずれにしろ、疫病や災厄など人の力では抗えない事象に対し、日本人は古来から「目に見えない畏怖すべき対象」の力に頼り、あるいはその力を慰撫して丁重にご退出いただく、という文化観を持ち続けているのだということがあらためて分かります。
本校生も「目に見えない力」に頼る気持ちは大切にしつつ、最後は自分のペンの力を信じて戦い抜いてほしいですね。
明日は立春です。
※阿部泉『資料が語る年中行事の起源』2021清水書院