校長 その日その日
Principal Day by day
Principal Day by day
2025/08/09
9日(土)、埼玉は昨日の夕立のおかげか、午前中は少しの風と曇り気味、幾分過ごしやすい日となっています。
4年前のコロナ禍中の夏、私は本校「今週の大宮開成」で以下のように記していたのを思い出しました(斜字:2021.7.1記事より)。
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――青空のもと、すでにセミの声が。街には少しの観光客と下校中の小学生。埼玉の日常と全く変わりません。ただ、たった76年前の8月9日に、ここが阿鼻叫喚の地となったことを除いては。
↓ 長崎平和公園。原爆落下中心地のそばです。原爆資料館も見学し、一瞬にして亡くなられた7万余人の御霊に手を合わせました
↓ 長崎湾、稲佐山いなさやまに沈む夕日。平和への実感、歴史の皮肉。複雑な胸中となりました
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――コロナ禍のため高2の海外研修(NZ/豪州)が実施できず、代替の研修地として関西・九州方面を検討し、その下見で訪れた際の記事です。
長崎への原爆投下は、上述記事のとおり皮肉な「歴史のif」といえるかもしれません。
米軍機は当初、北九州の小倉(軍事工場があった)を投下目標としていたものの小倉上空が曇っていて、投下条件である有視界が確保できないため、同じく軍事都市であった長崎(戦艦武蔵を造った長崎造船所があった)に向かい、かろうじて雲が切れていたため11時2分に投下した、という話は良く知られています。※
※半藤一利『昭和史1926-1945』平凡社、池上彰『そうだったのか!現代史パート2』集英社
上記の稲佐山からは廃墟となった長崎の街が一望されたそうです。
雲があったから、なかったから運命が…という次元の話ではありません。
ただ大宮開成の生徒・ご家庭においては、このような話が日常交わせるご家庭であってほしい、間違っても「今日って何かの日だっけ」、「さぁ」などということがないことを願いたい。もう語り継げるのは私たち世代しかいないのだから!…今日の曇り空を見上げて思いました。
㎰.明日10日(日)はセブ島夏期留学の出発日です。私も空港まで見送りに向かいます。平和な時代だからこそ学べる環境に、感謝。