今週の大宮開成
NEWS & BLOG
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2025/10/27
2025年9月26日(金)および9月29日(月)に、埼玉県内の医療現場を学ぶ「埼玉の医療を担う人材育成プログラム」を実施しました。このプログラムは、埼玉県の医療状況を理解し、実際の病院現場を見学することで、地域に根差した医療従事者としての志を育むことを目的としたものです。ご協力いただいたのは、埼玉県北東部、利根保健医療圏で地域医療に貢献なさっている済生会加須病院です。
中学1年生【医療・病院を知る】
参加者は、大宮開成中学・高等学校の中学1年M.P.P.生14名(M.P.P.…Medical Pioneer Program 大宮開成の医系支援プログラム)。地域医療の現場を直に体験し、医療の重要性を体感するとともに、病院には多くの職種の方が関わっていることを理解してもらいます。
〇研修内容
1 板橋院長による講義
なんとはじめから、「院長講義」! 病院・医師に関する基礎知識から、埼玉県内での医療の現状や、今求められる医師像についてのお話でした。院長の熱い講義に生徒も中学生ながらにやる気を喚起され、次々質問。患者様により良い医療を提供するために病院では多くの職種が連携していることも理解できたようです。

2 看護ケア
今回のプログラムでは、患者様のご協力もあり、実際に手浴・足浴をさせていただきました。1~2名の生徒に1人の看護師の方がついてくださいました。生徒は(引率教員も)緊張の中、開始。しかし患者様の温かいことばに緊張もほぐれ、次第に会話もできるようになりました。患者様に「ありがとう」と言われ、恐縮する生徒の姿がほほえましく感じられました。

3 病院見学
大病院での病院見学。今回のプログラムでは「病院の多くの職種」を知ることも大きな目的です。見学先には、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師、栄養管理士…なんと多くの職種が…。先生方も優しくて、様々な検体や、薬品、機材まで、たくさん体験させていただきました。

高校2年生【埼玉県医師としてのキャリアを考える】
高校2年生は8名の参加です。高校2年生は、全員医学部志望で、今回のプログラムを通じて「埼玉県、地域で働くことの意義」を感じてもらおうという企画です。
〇研修内容
1 板橋院長による講義
29日にも板橋院長の講義が設けられました。近年の埼玉県の人口増加に伴う医療の変化、逼迫する埼玉県の医療状況の講義です。その中でも、救命救急の在り方、災害医療の在り方など熱のこもったお話でした。講義後の質問では、院長の「埼玉県の医療を担う人材」に期待する熱い思いも語られました。

2 病院見学
大病院での病院見学。済生会加須病院は2次・3次救急を担う、利根保健医療圏の要衝です。生徒は、救命救急センター → 手術室 → ICU/HCU病室と済生会加須病院ならではの見学となりました。緊張感がすごかったね…。

3 BLS研修
救急医学科の福島科長のほか、臨床研修医の方たちにもご協力いただき、AEDを用いてBLS(1次救命処置)研修も行いました。救命の現場では、BLSが非常に重要であることがわかるとともに、医療の現場では「連携」が大切なこともよくわかりました。

4 埼玉県出身医師の講義 医師になるまでのキャリア
今回のプログラムは「埼玉県、地域で働くことの意義」を感じてもらうことが大きな目標です。BLS研修に引き続き、救急医学科科長の福島先生の講義です。先生は埼玉県加須市出身で、済生会加須病院に勤務しています。先生の気さくな人柄の中にも、熱い思いが伝わってくる講義でした。「患者様に最善の医療を届ける原動力=医師になりたいと思う理由」、生徒も前のめりに講義を伺いました。

5 臨床研修医との座談会
研修医の先生との座談会が行われ、医師としてのキャリアや勉強法について意見交換が行われました(研修医の1名は、なんと大宮開成の卒業生でした!)。病院、医療の話だけでなく、高校生活、受験勉強、大学での生活など、具体的なお話を賜れました。

研修を振り返り
中学1年生・高校2年生ともに、参加者は積極的に医師や看護師とコミュニケーションを取り、病院の雰囲気や医療現場についての質問をしました。実際に医療現場に触れることで、医療従事者としての志が強く感じられる一日となりました。
済生会加須病院におかれては、板橋院長をはじめ多くの方にご協力を賜りました。本当にお忙しい中でお仕事の合間を縫って対応いただきましたが、先生方が本当に優しく対応してくださり、医療に携わる方々の奉仕の心のありようを深く感じることができる研修でした。本当にありがとうございました。
本研修は、今後のキャリア選択において貴重な経験となり、医療従事者として地域に貢献する意義を再認識する機会となりました。

(教員O)